先生向け実務ガイド
進路面談・三者面談の準備ガイド — 面談シートとWebで完結するツール
進路面談・三者面談の質は、当日の話術より事前の段取りで決まります。このページでは、高校の先生向けに、面談前後の段取り、生徒に事前に考えさせておく項目、三者面談で保護者と共有する論点、面談シートを自作する場合の設計観点をまとめました。最後に、紙のシートを配らずにWebで済ませる方法にも触れます。学校の実情に合わせて、使える部分だけ持ち帰ってください。
進路面談の3つのフェーズ
面談は当日の20〜30分だけで考えず、「事前準備 → 当日 → フォロー」の3つのフェーズに分けて設計すると、準備の抜けが見つけやすくなります。
事前準備(面談の1〜2週間前)
- 生徒に「考える宿題」を出す(項目は次章)。面談の場で初めて考えさせると、時間の大半が沈黙で消えます
- 成績・出欠・提出物・模試など、教員側が把握している事実を1枚に整理しておく
- 前回の面談記録を読み返し、「前回から何が変わったか」を確認しておく
- 三者面談の場合は、当日話す議題を保護者にも事前に案内しておくと、当日の認識合わせが速くなります
当日
- 最初に生徒本人に話させる。教員が先に方針を示すと、生徒はそれに合わせた回答をしがちです
- 事実(成績・行動)と解釈(向き・不向き)を分けて話す
- その場で結論を出させない。「次回までに調べること・家庭で話すこと」を決めて終える方が、本人の納得が残ります
- 記録は面談中は最低限にとどめ、直後に補完する
フォロー
- 面談で決めた宿題(調べる・見学する・家庭で話し合う)に期限を付け、次の面談や日常の声かけにつなげる
- 記録は学年団で引き継げる形にしておく(担任が替わっても文脈が残るように)
事前に生徒に考えさせておく項目
面談が「その場で考えさせる時間」になるのを避けるには、事前の宿題がいちばん効きます。紙でもフォームでも構いません。項目の例です。
- 興味のある分野・科目と、その理由(「なんとなく」でもよいので、何に反応したのかまで書かせる)
- 授業とは関係なく、自分から調べたり続けたりしていること
- 現時点の志望(文理・学部系統・大学)と、その理由
- オープンキャンパス・学校説明会など、これまでに取った行動
- 保護者と進路の話をしたか。話した内容と、意見が食い違っている点
- 面談で先生に聞きたいこと
設計上のポイントは、「決まっていない」と書ける様式にすることです。空欄を埋めさせるために作文された立派な志望理由は、面談の材料としてはかえって邪魔になります。決まっていないなら、どこまでは考えたのかが分かる方が役に立ちます。
三者面談で保護者と共有する論点
三者面談は時間が短く、話題が発散しやすい場です。当日に扱う論点を先に絞っておきます。
- 成績の現在地と見通し:数字の確認は事前資料で済ませ、当日は解釈と対策に時間を使う
- 本人の興味と志望の距離:本人が語る興味と、書類に出てくる志望がつながっているか
- 家庭の条件:通学圏・費用・下宿の可否・きょうだいの進学予定。本人の前で話しにくい話題が残るなら、別の連絡手段を決めておく
- 次回までの宿題:誰が・何を・いつまでに、を三者で確認して終える
学年別の重点
- 高1:文理選択が中心。科目の得意不得意だけで決めさせないことが最大の論点です。文理選択の指導は別ページにまとめました
- 高2:科目選択と志望系統の絞り込み。オープンキャンパス等の行動計画を具体化する時期です
- 高3:受験方式(一般・総合型・学校推薦型)と出願計画。費用と日程は保護者の同席時にしか確定できません
保護者の方へ——三者面談の前にできる準備
このページは先生向けに書いていますが、三者面談について調べてここに着いた保護者の方も多いはずなので、短くまとめておきます。準備は3つで足ります。
- 本人の希望を先に聞いておく:面談の場で初めて聞くと、親の一言が結論になりがちです。前日までに「今どう考えてる?」とだけ聞いておくと、当日は本人が自分の言葉で話せます
- 家庭の条件を整理しておく:通学圏・費用・下宿の可否など、家庭にしか決められない条件を事前にメモしておくと、その場で答えられます
- 結論を急がない:三者面談は決定の場ではなく、学校と家庭で情報をそろえる場です。決めきれなくても、次に何を調べるかが決まれば前進です
面談シートを自作する場合の設計観点
面談シートは、様式の見た目より「何のために書かせるか」の設計で決まります。自作する場合に押さえておきたい観点です。
- 目的を絞る:事前の思考の宿題か、当日の記録か、引き継ぎ資料か。1枚に全部を担わせると、どの用途にも中途半端になります
- 記入者と時点を分ける:生徒が事前に書く欄、教員が当日書く欄、面談後に決まったことを書く欄を分ける
- 事実と解釈を分ける:成績・行動の欄と、向き不向き・所感の欄を混ぜない
- 選択式と自由記述を使い分ける:網羅性は選択式で、本人の言葉は自由記述で拾う。全部自由記述にすると空欄が増えます
- 学年で持ち上がれる骨格にする:高1から高3まで同じ骨格で揃えると、記録を並べたときに変化が読めます
- 回収・保管まで含めて設計する:進路希望は個人情報です。紙で運用するなら、回収方法と保管場所も様式とセットで決めます
紙のシートをやめてWebで完結させる方法
ここまでの準備を紙で回すと、配布・回収・集計・保管がすべて教員の作業になります。この「事前に考えさせて、材料を面談に持ち込む」部分をWebに置き換えるのが、学部診断 ring-map の面談での使い方です。
- 生徒は面談の前に、スマホで約10分の学部診断を受けておきます(36学科・22の観点。個人利用は無料)
- 結果は学科との相性がリング状に可視化されるので、「なぜこの学科が上位に来たと思う?」という問いから面談を始められます
- 興味が図と数字になっているため、「なんとなく理系」のような回答から一歩踏み込んだ対話になります
- 総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由を指導する場面では、診断で高く出た観点を出発点に、本人の言葉で「なぜその学部か」を言語化させる材料になります
学校でまとめて使う場合の仕組み(結果の集約方法・データの扱い・導入の流れ)は導入案内のページにまとめています。
この方法が向かない場面
先に、できないことを書いておきます。
- 診断は進路を決めるものではありません。決めるのは本人との対話です。結果を「あなたは○○学科向き」という断定に使うと、かえって思考が止まります
- 成績や合否可能性は扱いません。模試・調査書の代わりにはなりません
- 志望がすでに固まっている生徒には、確認と言語化の補助くらいの役割になります
- 生徒がスマホや学校の端末を使えない環境では、この方法は成立しません。その場合は紙の面談シートの方が確実です
学校の面談で ring-map を使う場合
結果の集約方法・データの扱い・導入の流れは導入案内に、料金と申し込みはスクールプランのページにまとめています。全プラン最初の1学期は無料です。
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