行きたい学部がない・決められないときに、まず整理すること
「行きたい学部がない」「何学部に行けばいいかわからない」——検索窓にそう打ち込んで、このページに着いた人も多いと思います。質問サイトを見ると、同じ悩みの相談が何年分も見つかります。
この記事では、学部を決められない理由を3つのパターンに分けて、興味を学部につなげていく整理の手順を紹介します。読み終わる頃に「決まる」とまでは言いませんが、「次に何をすればいいか」は持ち帰れるはずです。
「行きたい学部がない」のは自分だけ?
そもそも、高校までの勉強と大学の学問は、区切り方がまったく違います。高校は国語・数学・英語・理科・社会という「科目」で区切られていますが、大学は法学・経営学・機械工学・薬学のように「分野」で区切られています。習ったことのない分野を「行きたい」と思えないのは、当たり前のことです。
だから「行きたい学部がない」は、やる気や才能の問題ではなく、多くの場合ただの情報不足です。そして情報不足は、整理と調べ方でどうにかなります。
急いで結論を出す必要はありません。ただ、文理選択や科目選択のように「先に決まってしまう場面」は学年ごとにやってくるので、考える材料だけは早めに集めておくと、後が楽になります。
学部を決められない3つのパターン
自分がどのパターンかで、やることが変わります。
1. 興味のあるものが、まだ見つかっていない
「将来の夢がない」「好きなことが特にない」というパターンです。このタイプに必要なのは、夢を探すことではなく、自分の興味の「傾向」を知ることです。はっきりした夢がなくても、「どんな作業なら苦にならないか」には必ず偏りがあります。
2. 興味が多すぎて絞れない
歴史も好きだし、生き物も好きだし、デザインも気になる——というパターン。この場合は、優先順位をつけるための材料が足りていません。それぞれの興味を「学問としてやるとどうなるか」まで見比べると、温度差が見えてきます。
3. 学部・学科をそもそも知らない
経営学と経済学の違い、機械工学と電気工学の違いを説明できる高校生は、ほとんどいません。選択肢の中身を知らないまま選ぼうとしている状態です。このタイプは、学部・学科の一覧をざっと眺めるだけでも前に進みます。
何学部に行けばいいかわからないときの整理手順
手順1. 偏差値と消去法から入らない
「今の成績で行けるところ」から考え始めると、興味の情報がひとつも増えないまま、候補だけが狭まっていきます。偏差値を見るなという話ではなく、順番の話です。先に興味の方向を決めて、そのあとで届く大学を探すほうが、志望理由もずっと書きやすくなります。
手順2. 「科目」ではなく「作業」で自分を見る
「国語が好きだから文学部」のように科目から直結させると、選択肢が急に狭くなります。それよりも、「人の話を聞くのが苦にならない」「手を動かしてものを作る時間が好き」「数字やデータを眺めるのが嫌いじゃない」のような、作業レベルで自分を見てください。大学の学問は、科目ではなく作業の組み合わせでできているので、意外な学部がつながってきます。
手順3. 候補の中身を1つずつ調べる
候補がぼんやり出てきたら、大学のサイトで学科の紹介ページやカリキュラムを見てみてください。「4年間で何をやるのか」を眺めるだけで、「思っていたのと違う」「これは面白そう」が具体的になります。オープンキャンパスも、志望校が決まってから行く場所ではなく、決めるために行く場所です。
やってはいけない決め方
どれも実際によくある決め方ですが、あとで苦しくなりやすいものです。
- 仲のいい友達と同じ学部にする。入学後にやることは、友達ではなく学問で決まります。
- 学部名の印象だけで決める。「国際」「情報」などの名前と、実際に学ぶ内容は結構ずれます。名前で気になったら、中身を確認するところまでセットで。
- 「潰しが効きそう」だけで決める。どの学部にも進める先はあります。興味ゼロの「無難」を4年間続けるのは、思っているよりきついです。
- 誰かの一言だけで決める。先生や親のすすめは大事な情報ですが、通うのは自分です。すすめられたら、自分でも一度調べて、「自分の言葉」で理由を言えるかを確かめてみてください。
高1・高2・高3、それぞれの動き方
高1
文理選択が最初の分かれ道です。行きたい学部が決まっていない段階で選ぶことになる人が多いので、「決める」より「消さない」を意識すると楽になります。文理で迷っているなら、文理選択の考え方と診断の使い方を別の記事にまとめています。
高2
科目選択や進路希望調査で「学部を書く」場面が増える時期です。進路希望調査が書けないときは、空欄にするより「今いちばん近そうなもの」を書いておいて、提出後も整理を続ければ大丈夫です。調査票は契約書ではありません。
高3
ここから整理しても間に合います。志望理由書や面接では「なぜこの学部か」を自分の言葉で話すことになるので、興味の傾向を一度データで眺めておくと、言葉にしやすくなります。
文系・理系もまだ決まっていない場合
「学部が決まらない」と「文理が決まらない」が重なっている人は、先に文理から考えるのが近道です。といっても、得意科目だけで決めるのはおすすめしません。文系にも数字を使う学部(経済・経営など)がありますし、理系にも文章力が問われる場面は多くあります。
科目の得意・不得意より先に、「どんな作業なら苦にならないか」の傾向から眺めてみてください。文理選択の考え方と診断の使い方は、文理選択の診断と選び方に分けてまとめました。
保護者の方ができるサポート
もしこの記事を保護者の方が読んでいたら、観点は3つです。
- 「決めなさい」より「一緒に眺める」。情報を一緒に見る時間のほうが、結論の催促より前に進みます
- 本人の言葉を先に聞く。途中で答え合わせをせず、最後まで聞いてから情報を足す
- 情報は渡して、結論は本人に。最後の一択だけは、本人の言葉で決められるように
22の観点で、自分の興味の傾向を見てみる
ここまでの整理をひとりで紙とペンだけでやるのは、正直けっこう大変です。手がかりづくりの道具として、私たちは ring-map という学部診断を無料で公開しています。
- 質問に答えると、22の観点で興味の傾向を数値化し、36学科との相性をリング型のチャートで表示します
- 所要時間は約10分。会員登録は不要で、名前やメールアドレスの入力もありません
- 診断が出すのは「答え」ではなく、興味の傾向という材料です。行きたい学部を診断が決めてくれるわけではありませんが、「見つからない」「絞れない」の最初の一歩には向いています
次の一歩
- 学部・学科に何があるかを知りたい — 36学科の一覧を眺めてみる
- 文系・理系で迷っている — 文理選択の診断と選び方
- まず傾向から入りたい — 無料の学部診断を受ける